12/18 おやすみドクターイエロー|窓に現れた、あの日のサンタクロース

クリスマスの時期になると、毎年思い出す光景がある。
黄色い車体。
いつもと変わらないはずのドクターイエロー。
けれど、その窓にふと目を向けた瞬間、そこには“特別な世界”が広がっていた。
ドクターイエローが、わずかな期間だけクリスマス装飾をまとって走行したときの一枚だ。
窓の中に描かれていたのは、サンタクロースたち。
プレゼントを抱え、踊り、転び、笑う――
まるで小さな物語が、車両の窓の中で展開しているようだった。

印象的なのは、この装飾が新大阪駅出発時には存在していなかったこと。
走行を続け、新神戸に到着したとき、初めてその姿が確認された。
つまりこの装飾は、JR東海区間ではなく、JR西日本管内で施されたものと考えられる。
しかも、ただのイラストではなかった。
当時は窓に光る装飾も組み合わされており、夜の駅でドクターイエローが止まった瞬間、その窓は静かに、しかし確かに輝いていた。

派手な告知もなければ、公式な大きな発表もない。
ドクターイエローに会いに来た人だけが出会えた、ほんの短いクリスマスの奇跡。
今では、引退に向けてメッセージを掲げたり、特別な装いで走ることも珍しくなくなった。
けれど、その“原点”とも言えるのが、このクリスマスドクターイエローだったと、私は思っている。

明日もまた、別の一枚を紹介します。
あの日、確かに走っていた「もう一つのドクターイエロー」を。

明日もいい日になりますよ〜に!